2010年夏
今回の話は、東京の国立新美術館で催された、オルセー美術
館展2010「ポスト印象派」に出向いたときのお話です。
オルセー美術館改装に伴い所蔵絵画を移転するのを機に、
日本でまとめて展示することのなったものです。展示作品は
印象派の巨匠の作品を含むオルセー美術館の傑作絵画115
点で、しかも半数以上が初来日というふれこみです。
このため、高速バスで東京までトンボがえりする計画をたて
ました。早朝名古屋市千種区の本山からJR東海バスに乗り
込み、浜名湖SAでトイレ休憩をはさみ、御殿場を過ぎ順調
に来ましたが、東京に近づくにつれ次第に渋滞の列に入り込
み、到着が大幅に遅れるとのバス案内がながれました。途中
下車で遅れを回避できないかバス会社に聞いたところ、東名
江田で途中下車して、東急田園都市線に乗り換える手もある
との情報をもらいました。
東名江田のバス停に降り立ちましたが、だれも人がいず出入
口も開いていませんでしたが、とにかく出入口扉を開け、外
に出て、人づてに東急のあざみ野駅へむかいました。駅に着
くと渋谷駅から都心に乗り入れる便もあるとのこと、電車で
渋谷駅から東京メトロ半蔵門線に乗り入れ、表参道から千代
田線に乗換、乃木坂駅で下車して国立新美術館に向かいまし
た。美術館は黒川紀章設計の波打った外壁が特徴です。
展覧会は、1886年最後の印象派展以降のポスト印象派の
画家たちの作品を軸に展開されます。第1の「最後の印象派
」のコーナには、モネの「国会議事堂」やドガの「階段を上
がる踊り子」があり、印象派の残映を語っていました。つぎ
の「スーラと新印象主義」のコーナには、点描画法を編み出
したスーラの「ポール=アン=ベッサンの外港、満潮」ほか
10点やシニャックの「マルセイユ港の入口」などが見られ
ました。
続いて「セザンヌとセザンヌ主義」のコーナには、「サント
=ヴィクトワール山」、「水浴の男たち」、「台所のテーブ
ル」ほか5点が展示されておりました。「台所のテーブル」
には、1枚の絵に違う高さから見た静物を同時に描き、立体
的な効果を出していました。「ロートレック」のコーナでは
、「女道化師シャ=ユ=カオ」ほかモンマルトルの歓楽街に
働く女性の姿を描いています。
「ゴッホとゴーギャン」のコーナでは、ゴッホの「自画像」
、「星降る夜」、「アルルのゴッホの寝室」、ゴーギャンの
「『黄色いキリスト』のある自画像」、「タヒチの女たち」
がありました。どれも有名な画です。「星降る夜」では夜空
の星と水面に長く映る岸辺の灯りの影の構図に、長いこと見
入っていました。このコーナには、ほかにゴッホの絵が4点
、ゴーギャンの絵が7点展示されていました。
「ポン=タヴェン派」、「ドニ派」のコーナでは、ゴーギャ
ンの影響を受け、ベルナールの「愛の森のマドレーヌ(画家
の妹)」、ドニの「木々の中の行列(緑の木立)」のように
明確な輪郭線と濃淡のない平らかな色彩で描かれ、いままで
の印象派とは肌合の違う作品が展示されています。
作家たちは見た目の印象ではなく精神的主題を表現しようと
したのですが、「内面の眼差し」のコーナでは、彼らに影響
を与えた象徴主義の画家として一時代前のシャヴァンヌの「
貧しき漁夫」、モローの「オルフェウス」、同時代のルドン
の「目を閉じて」ほかを見ました。さらに「アンリ・ルソー
」のコーナでは、シンプルな色使いで独自の幻想的画面を構
成した画家の「戦争」と「蛇使いの女」の2作品もみること
ができました。これも有名な作品です。
ドニ派の画家たちは、その画風から装飾壁画にも挑戦したよ
うです。「装飾の勝利」のコーナで、ドニの「若い娘の寝室
のためのパネル」、ヴュイユールの公園シリーズ、ボナール
の装飾パネル他を見ました。展覧会は素晴らしかったですが
、美術館の施設はいただけません。トイレが少なくトイレ待
ちで必死にこらえている人を見かけました。アンケートでト
イレ拡充を訴えてきました。
美術館を出、地下鉄で東京駅に向かいました。(例えば千代
田線霞が関駅で丸の内線に乗換、東京駅下車)移動に手間取
り、帰りのバス乗り場の八重洲口北に着いた時予約のバスは
出発していました。なんとか次のバスに替えてもらい、霞が
関の官庁を横目で見、途中のSAでトイレ休憩をとり、東名
本郷に着きました。そこから地下鉄でかえりました。
旅の経験談(オルセー美術館展2010)はこれで終わりで
す。続編も投稿したいとおもいます。最後になりますが、(
株)Vector様のサイトに「旅先情報データベース」を紹介し
ていただいています。Googleほかのサイトに「旅先情報」の
キーワードで検索いただくと、紹介のサイトが現れます。こ
のサイトから上記データベースをダウンロードできますので
、あわせてご活用いただけたらと存じます。以上