旅経験談20(京博新館落成特別展)

                        2014年10月8日/11月12日

今回の話は、京博新館落成を記念して催された特別展に行っ
た時の話です。

<10月8日>
特別展は、新館(知新館)の「京へのいざない」と題された
ずらり国宝、ずらり重文の展覧会と本館(明治古都館)の「
国宝鳥獣戯画と高山寺」の展覧会です。今日はそれぞれ前半
の展示を見学します。

まずJR高速バスで京都へ移動しました。途中第二名神高速
道路を初めて通過しました。名神高速を短絡する高速道で、
四日市から鈴鹿の山地を抜け、滋賀県の草津で名神に合流し
ます。山地を走るので、4000m級のトンネルは3つもあ
るトンネル路線です。途中「滋賀大鳥橋」という、橋脚が垂
直に飛び立つ鳥の形の斜張橋が架けられ、その斬新なデザイ
ンが強く印象に残っています。

京博では先ず新館で国宝・重文の展覧会を見ました。前後期
で総計四〇〇点におよぶ出陳です。国宝だけでも、神護寺の
源頼朝・平重盛とされる両像や赤釈迦、神奈川県清浄光寺の
一遍聖絵、知恩院の法然上人絵伝、山越阿弥陀図、妙心寺の
瓢鮎図、雪舟の天橋立図や山水図、書では古今和歌集残巻(
本阿弥切)、蒔絵の箱など息つくひまもないほどの展示に、
時間のたつのも忘れるほどでした。

新館で肉料理をメインとするフランス料理のコース料理をい
ただきました。よい雰囲気のレストランです。食事の後、本
館の展示の列にならびました。高山寺の寺宝展ですが、その
なかでも修復後初めて公開される、鳥獣戯画の全四巻が目玉
です。

まず高山寺の寺宝から展示が始まりました。開山明恵上人の
像で有名な「樹上坐禅像」を見ました。また上人筆の「夢記
」や歌集の展示もありました。明恵が華厳宗の僧であったつ
ながりで、華厳宗祖師絵伝の展示もありました。

いよいよ鳥獣戯画の展示です。列を区切って一つ一つ見て回
りました。甲巻では、兎組と蛙組の賭弓の儀式のアニメです
。また乙巻では馬、牛など身近な動物の画、丙巻では首ずも
うなどで遊ぶ人間、さらに丁巻では小人の技に興じる人々の
画を見せてもらいました。

<11月12日>
今回は後期の展示を見ます。まず新館で京都妙法院から出た
南蛮文書「ポルトガル国印度副王信書」、粉河寺縁起絵巻、
前期で見た法然上人絵伝の巻替え、十二天図ほかを見ました
。妙心寺から寄託された、狩野永徳の「花鳥図襖」四面は、
豪快な永徳らしからぬ、静謐な筆致でむしろ拍子抜けしまし
た。ほかにも天王寺の「彩絵檜扇」や最澄、空海が着けた、
袈裟などの展示がありました。

一旦新館を出、構内レストランでハンバーグ定食の後、本館
の高山寺展の列に並びました。あいかわらずの人気です。先
ず後期に展示される明恵上人の「持念珠像」と華厳宗祖師絵
伝の巻替え分をチェックした後、鳥獣戯画の各巻後半部分の
展示に向かいました。

甲巻では、兎と蛙のすもうや蛙の田楽踊りのような滑稽な漫
画などが見られました。乙巻では麒麟、龍などの伝説上の生
き物、丙巻では鹿に猿が乗るなど、動物が人間のように遊び
まわる場面、丁巻ではひきつづき人間の勝負事の場面などを
愉快に描いておりました。一旦外へ出ると再入場が難しいの
で、これはと思った展示はくりかえし見て回りました。

京博には何度も来ておりますが、こんな人出の多い展覧会は
はじめてです。前期も含めていっぱい見たなという充実した
気持ちで、京都を後にしました。

旅の経験談(京博新館落成特別展)はこれで終わりです。
続編も投稿したいとおもいます。最後になりますが、(株)
Vector様のサイトに「旅先情報データベース」を紹介してい
ただいています。Googleほかのサイトに「旅先情報」のキー
ワードで検索いただくと、紹介のサイトが現れます。このサ
イトから上記データベースをダウンロードできますので、あ
わせてご活用いただけたらと存じます。以上